10代
お姉ちゃん、と読んでいる叔母がいるのですがお姉ちゃんは離れて住んでいる姪っ子の私のためによく自分が読まなくなった本を送ってくれました。
海外のサスペンスからザ日本文学までジャンルはさまざま
その中で私がとても胸踊った本が
【河童の覗いたヨーロッパ 作 妹尾河童】
文章も絵も全部手書きで書かれている本なのです
妹尾さんがヨーロッパを旅する中で泊まった宿、電車、観光地などをとても細かく描いている一冊
私はこの本に出会ってヨーロッパへの興味がわき、のちにフランスに旅行するきっかけにもなったのです
とにかく描写が細かくて目の付け所も独特でとても面白い本です
18歳の時に友だちにもらった本も私のサブカル心に火をつけた本でした
【こらっ 作 中島らも】
私は至って真面目でスクールカーストで言えばちょうど真ん中の本当に普通っ子でした
彼氏もいなかったし奥手で女の子の友だちとわーわーアホなことをして遊ぶのが好きなおぼこい女子高生でした
この本に出会ってらもさんが私の知らなかったアンダーグランドな世界を教えてくれることになったのです
らもさんは大阪出身の大阪在中だったので本の中に出てくる場所も大体検討がつくし、自分の周りの世界が全てだと持っていた私に実際には見ることはできないアンダーグランドなちょっとドキドキする大人の世界を見せてくれました。
彼の経歴には色々と問題がある(やっちゃいけないことをやっている汗)のですが、こんなおもろくて突拍子のないおっちゃん最高にファンキーやん、と思って読んでいました
本の内容は人生の勉強になる色んなことが書いていました
晩年ワープロも打てなくなってしまって割り箸を器用に使って口で文章を書いている姿に18歳の私はグッときました
手が震えてワープロすら打てない状態でも文章を描き続ける姿がロックやな、と分かったようなことを思っていました
らもさん好きが高じて本屋さんにいけば今でこそメジャーになってるけど【サブカルコーナー】に入り浸ったもんです
友だちとの待ち合わせも本屋さんが多かった
サブカルコーナーで待ち合わせ(笑)
20代
私の青春は25歳からです
その頃私は映画制作に興味を持ってスクールにも通っていたし友だちとも短編映画を撮ったりしていた時期でした
同時にシナリオコースも受講していて宮藤官九郎さんと出会い、私も脚本家になりたくて映像関係の仕事につきたいと色んなことにチャレンジしていた時出会ったのが
【大人失格 作 松尾すずき】
もちろんクドカンさんのエッセイや脚本も死ぬほど読んだのですが、心に響いて何度も何度も読んだのがこの本です
私の大好きな言葉があります
『昔大人という生き物がインドの牛のようにその辺にゴロゴロいた、ような気がする。
良くも悪くも、今の大人には逃げ場が多い。
子供になろうと思えばいつだってなれるし、男が女になったりその逆も可能だ。
何になったってそんな死ぬほど怒られたりしない。
試しに私は自分の逃げ場を数えてみたが50を超えた時点で面倒くさくてやめた。
逃げ場の数だけ我々は欠点を背負い込んでいる。
いいじゃない。とも思う。
欠落抱えたまま大人にならしてくださいよ、
いいじゃない。』
ちゃんとした家庭で育った。
ちゃんとしなさい、と言われて育った私
昔の大人と言う言葉の前提に
『昔の大人は逃げ場を持たない「生き物」だったのではないか。私の父が食卓でタバコをふかし「俺はひょっとしたら子どもなのかもしれんなぁ」などと悩んでいる姿をみたことはない。ましてや「もう大人になんかなりたくない」と泣いている父や「大人なんか信じられない!」と叫んで部屋から飛び出す父など想像だにしたくない』
という文章があります
私の父も母もまさに逃げ場を持たない大人でした
松尾さんの欠落抱えたまま大人にならしてくださいよ、の一言に色々と救われたな
ちゃんとせな、と思ってけど逃げ場がいっぱいある時点で私も大人失格だな〜と
大人の定義を根本から覆されました(笑)
もちろんその流れで大人計画という劇団にハマりクドカン作品にハマりと本以外も色々とハマって楽しい青春を送るのですが
30代
30代は結婚出産育児と私にとって人生で初めのことづくしでした
子育てに奮闘していたころに出会ったのが
【そして生活はつづく 作 星野源】
まあ、この流れできたらここにたどり着くやろ、と言う感じですかね
大人計画の舞台を観るようになって星野源という人に出会いました
彼は3足のわらじを履いてる不思議な人でした
劇団の作品には出演するけど劇団員ではない、劇団に音楽提供しているサケロックというインストゥルメンタルバンドをしていて執筆活動もしている
興味湧かないわけないですよね
この本の中で源ちゃんの家族や子供の頃のことも触れてるのですがとても素敵なご両親なんですね
一人っ子であるのも我が子も一人っ子で共通しているのでとても興味深く読みました
子育てについての章があるのですが、その中で
『私は子どもに会うとその人を「先輩」もしくは「同年代」として応対してしまう癖がある。対峙した途端、どう頑張っても上から目線でその子どもを観ることができなくなる。なぜだか彼らや彼女らに見つめられると、同じ目線、もしくは下からの目線で接してしまい、自分の全てを見透かされている気がして嘘がつけない。子ども騙しの対応ができない』
私も実は子どもが苦手
妹の子どもはもう身内だからよかったけど、友だちの子どもへの接し方が難しい
源ちゃんほど赤ちゃん敬語を使う、とかはないけどどっかで全部見透かされている気がしてたのは一緒
実は自分の娘にも時々「この母親、偉そうに言うてるけど大したことないやん」と本来の自分を見透かされている気がすることがあります
それは多分『欠落抱えたまま大人にならせてくださいよ』の精神から自分の未熟さを見透かされる怖さだとも思います
実際欠落は抱えているけど、抱えてるなりに40過ぎて徐々に大人になってるな、って思うこともあるけど、やっぱりまだまだ子どもやな…と凹むことが多いです
40代
時代は変わりましたね
10代の頃はポケベル、20代はガラケー、30代はスマホ
すごい時代に生まれたもんです
10代のころまだ昭和の香りが残り、テレビだってガチャガチャ変えてたし、録音はカセットテープ、VHS。
まさか手のひらサイズのテレビも音楽もラジオも写真も動画もなんでもできるスマホが一人一台の時代が来るなんて思わなかったですね
本もスマホやパソコンで読む時代
しかも本を声優さんが読み上げてくれて家事をしながら本も読める時代となりました
最近はオーディオブック オーディブルで本を読み聞かせてもらってます
【今伝えたいお金の話 作 村上世彰】
大人失格の私が今はお金について学んでいるのですっ
と言ってもこの本は村上ファンドを立ち上げた村上世彰さんが自分の娘さんにあてて書いた本なので私みたいな知識不足の大人が読むのにちょうどいいです(笑)
しかもここで得た知識を今の私自身だけじゃなく私の娘にも伝えられるとても今の私にピッタリな本です
忙しい毎日の中家事をしながらオーディオブックで本の知識を入れることができるのはとてもありがたいです
お金とは死ぬまで付き合わなくちゃいけないのである程度ちゃんと生きていけるようになった私にちょうど良い一冊でした
まとめ
こうやって影響のあった一冊を紐解いていくと人生が見えてきますね
指針にする人が独特ですが(笑)年齢に応じて変化していってるのが面白いな、と思います
結婚するまで私は本当に欠落だらけの大人でした
結婚して親になってやっと成長が始まった気もします
本棚を見ればその人がわかる、とも言いますよね
本と私は切り離せない関係
この先も読む本が変わっていっても根本的なとことは何も変わらんのやろな、と思いますが本とのお付き合いは続けていきたいな、と思います
最後まで読んでいただいてありがとうございました♡
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